犬の遺伝性疾患とは遺伝子の異常によって引き起こされ親から子へと受け継がれます。
遺伝子検査を活用し適切な繁殖を行うことで遺伝性疾患のリスクを無くせます。
1 遺伝性疾患は両親に原因遺伝子が無ければ子犬には絶対に遺伝しない(発症しない)。
2 遺伝性疾患は他の犬や人間には絶対に感染しない(病気がうつらない)。
遺伝子検査の重要性
遺伝性疾患を予防するためには親犬(祖先)の遺伝子検査が重要です。
疾患原因遺伝子を持つ犬同士を交配すると子犬が疾患を発症するリスクが高まります。
遺伝子検査を行い、疾患原因遺伝子を持たない犬同士の交配を心がけることで、遺伝性疾患の発生を抑えることができます。
遺伝性疾患の根絶が可能となります!
パグの遺伝子検査(2025.10/1現在)
DM 変性性脊髄症
PRA 進行性網膜萎縮症(prcd)
vWD フォンヴィレブランド病 type1
我が家では飼育しているすべての血統にて遺伝性疾患の検査を行っており、すべての子が「クリア」(遺伝性疾患の因子は無い)との結果を得ております!
よって対象の遺伝性疾患を発症することは絶対にありません!
父母、祖父母、総祖父母…
受け継がれる血統は尊く、延々と先祖から続いた遺伝によって誕生した訳ですからブリーディングを考えるに当たり最も重要視すべき事柄と言えるでしょう。
ブリーディングを行うには数多くの成すべき事柄があり、持つべきポリシーがあり、学ぶべき事項があり、守るべき約束事があることは十分承知した上で敢えて問います。
ブリーダーとは、何を最も重んじるべきと考えますか?
・レベル(スタンダードに沿った犬質)の向上を目指す。
・純血種の維持。(mix犬は作らない)
・新しい犬種の創造。(上記と反しますが)
・その他。
私が最も重んじるべきと考えることは、健康な種を産み育ませることと考えております。
可能な限り頑健で長命な個体を作り上げることです。
出来ることならば犬種を変えることなく。
それには、まず遺伝性疾患を排除することだと思っております。
管理と検査をしっかりと行うだけで主要な遺伝性疾患を無くす事が可能だと確信しているからです。
私が無くすべきと考える遺伝性疾患は親(先祖)が持っており、遺伝として子々孫々に受け継がれる可能性の高い、疾病を引き起こす遺伝子のことを意味します。
犬には約400以上(人間で4,000種以上)の遺伝性疾患の種類が有るそうですが、近年広く知られ研究が成されているものに膝蓋骨脱臼、股関節形成不全(Ca nine Hip Dysplasia CHD)、肘関節形成不全(Elbow Dysplasia)、セロイドリポフスチン(CL)症、進行性網膜萎縮(Generalised Progressive Retinal Atrophy GPRA)、コリー眼異常(CEA)、甲状腺機能低下症、脂腺炎、癲癇(Epil epsy)、遺伝性皮脂腺炎(SA)、巨大食道症、フォンウィルブラント病(vWD)、レッグペルテス病、遺伝性の心臓病、難聴、視覚障害等があります。
この数年間で国内にも遺伝性疾患(特に股関節形成不全、肘関節形成不全、PRA等)に関して注目する方々も増えました。
何の咎もないワンコが突如歩行に困難を生じたり、目が見えなくなってしまうのですから愛犬家にとっては青天の霹靂。
しかも現在でも根本的な治療は難しい…
遺伝性疾患は防ぐ事が至極簡単です。
遺伝性疾患を持った親犬をブリーディングに使わなければ良いだけの話なのですから。
ある種の遺伝性疾患であるなら国内外の検査機関で比較的容易に調べることも可能です。
血統の登録が成され一部ですが遺伝性疾患の血統が分かる機関もございます。
万一、ブリーディングの結果遺伝性疾患と分かる仔犬が産まれてしまったらその血統はブリーディングから排除すれば良いだけのことです。
知識も無く、もしくは我が家の子は大丈夫だろうと安易に考え繁殖に使った結果、子々孫々まで伝わってしまう可能性の高い遺伝性疾患を広げてしまうことは、ブリーダーとしての罪であると私は思います。
遺伝性疾患を持つ子を差別し排除するなどとは毛頭考えておりません。
遺伝性疾患は感染する病気ではありません。
今ある命は大切にするべきです。
ただ、遺伝性疾患の遺伝子を持つ子は赤ちゃんを作ってはいけないと論じているのです。
命を作り出すブリーダーとしては、第三者との意見が違うことを承知しながらも、独善的であろうと自己の信じる考え方を全うする強いポリシーも必要な気が致します。
掛け替えのない命を紡ぐ仕事をしているのですから。
2025.10/9
